10月5日(水)発売の新譜「シンセカイヨリ」にコメントを頂きました。有り難うございます。
売れているバンドが持っている物、それは客観性だと山ちゃんは思う。
人目を気にしている、てのとは全く次元の違う意味でやで、と、山ちゃんは、念を押したい。
念を押す、て怖い表現だな、とも、山ちゃんは関係ないけど、思う。
そんな穏やかな暮らしの中、ノンフィクションというロックバンドから、新しいアルバムのコメントを二万円やるから書け、と山ちゃんは言われる。
山ちゃんは、面倒だな、と思う。が、その反面で、二万円欲しいな、とも思う。
ええいままよ、とは、よく言ったもんだ、と山ちゃんは思いながら、二万円欲しさに、その依頼を引き受ける事にし、郵送された音源を爆音と騒音の間で拝聴する。
絶望的な程に、客観性のないバンドである。
いつの時代も、下らない音楽は蔓延しているが、こんなにへりくだらない音楽も珍しいのかもな、と山ちゃんは、俺を取り戻しながら、思う。
そして、客観性の欠如とは、脆くはあるが、全てを排除した、ある種の無敵状態なのではないか、と、俺様は呼吸を整えている。
ところで、君は、何ちゃん?
ノンフィクションのアルバムで「俺」を奪還してみないかい?
山田亮一(バズマザーズ)
イイジタカヒロとソウイチロウ。
“北九州の正統派異端児”と称されるこのバンドは、対照的なふたりが奏でるソリッドなアンサンブルと文学的な詞世界が聴く者・観る者を惹きつけてならない。
正統派=ソウイチロウさんのギターはエッジーで見た目のソフトさに反して攻撃的なフレーズをぶちこみ、異端児=イイジさんのストレンジな詞世界と見た目そのままのインパクト(失礼)に反した普遍的で美しいメロディメイクが、このミニアルバムで存分に楽しむことができる。
本当はここでミニアルバムの楽曲についてつらつら認めようと思ったが、今回のアー写とジャケ写を見て楽曲の世界観をうまく表現していたので敢えて止め、このアー写とジャケ写から想像するノンフィクションのミニアルバム『シンセカイヨリ』を聴いた時のお楽しみにしてほしい。
その時きっと、アー写に映る正統派と異端児の本質に気付くことでしょう。
タワーレコード広島店店長
山口 勝朗